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Respiratory internal medicineアレルギー内科

花粉症

花粉症

花粉症とは、花粉が目や鼻から体内に入り込んで引き起こすアレルギー反応です。アレルギーとは特定のアレルギーを引き起こす異物(アレルゲン)に対して免疫が過剰に反応し体を害することをいいます。原因となる花粉としてよく知られているスギ、ヒノキ以外に、イネ、ヨモギ、ブタクサ、カモガヤなど多岐にわたります。花粉の飛散時期はその種類により異なり、スギは2~3月、ヒノキは4~5月頃に頃飛散します。スギ花粉症を持っている日本人の約6割がヒノキ花粉症を持っているとも言われており、春の花粉症が長く続く人はおそらく両方の花粉症を持っていると思われます。

花粉が体内に入り込むと、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒みや涙などが出現します。原因物質の特定の為に、特異的IgE抗体測定、鼻粘膜誘発テストや皮膚の反応をみるプリックテストなどが行われます。
花粉症対策としては、飛散時期に合わせたマスクや眼鏡の着用、外出から帰宅した時の手洗いや服に付着した花粉のはたき落とし、などが一般的です。各症状に対する治療法については以下に示します。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、花粉などによる季節性と、普段から身の回りに存在するダニ、ハウスダストなどによる通年性とに分けられます。
アレルギー性鼻炎の治療は、従来は花粉が原因の場合には花粉の回避と早目の抗アレルギー剤内服、点鼻・点眼薬の使用が中心でした。ハウスダストやダニが原因の場合には掃除や寝具の洗濯による抗原除去、回避と、花粉症と同様の薬剤治療でした。しかし現在はスギ花粉、ダニアレルギーに対しては、それぞれのエキスを長期間内服して体質改善をはかる『舌下免疫療法』が保険適用となり治療の幅が増えました。

『舌下免疫療法』は、治療開始前に細かい問診と血液検査による「スギ」「ダニ」の血液陽性反応の確認が必要です。以前に血液検査で、「スギ」「ダニ」のアレルギー検査が陽性だった方はその資料を当院へご持参ください。改めて血液検査を受ける場合は、血液検査実施日から1週間以降に検査結果を説明いたします。舌下免疫療法を開始する場合、および薬剤を増量するタイミングでは、いったん処方箋をもって薬局で薬を取得し、当院に再度戻ってきていただいて、当院内で内服し、30分間はアレルギーがないことを確認して帰宅となります。このような治療を最低2年間かけて行なっていきます。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎とは、眼の表面に花粉やハウスダストなどのアレルゲンが付着することで、まぶたの裏側から白目を覆っている薄い粘膜(結膜)に炎症をきたした状態です。アレルギー性鼻炎と同様に季節性と通年性のものがあります。日本人全人口の実に48.7%がアレルギー性結膜炎を持っているという報告もあります。治療はまず抗原回避ですので、花粉予防用のメガネの使用や洗眼などのセルフケアが重要です。さらに抗アレルギー薬の点眼やアレルギー性鼻炎を合併している場合には抗アレルギー薬の内服が中心となります。

アナフィラキシー

アナフィラキシーとは、アレルゲンなどの侵入により複数臓器に全身性にアレルギー症状が引き起こされ、生命に危機を与えうる過敏反応のことを言います。また、アナフィラキシーにより血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックと言います。アナフィラキシーがおこると、発疹、口の中の粘膜の腫れ、呼吸困難、血圧低下、吐き気などが起こります。これにより命を失う可能性もある危険な疾患です。原因は、医薬品、食べ物、昆虫、ラテックスなど様々です。このような状態になった場合には、速やかに医療機関を受診してください。また、アナフィラキシーの原因物質が分かっており、事前にアドレナリン自己注射薬(エピペン®︎)が処方されている場合にはこれを注射し、医療機関を受診してください。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、食物を食べた後にアレルギー症状を起こす状態です。遺伝的な要素も推測されていますが、関連性が認められなかったとする報告もあり、家族歴だけで同定は困難です。有症率は乳児期が最も多く、5〜10%に見られます。乳児期から幼児期にかけてのアレルギーの原因は、鶏卵、牛乳、小麦が多く、これらで全体の70%を占めます。その後成長するにつれて甲殻類やそば、果物類などのアレルギーが増えてきます。症状としては皮膚症状が92%と最も多く、呼吸器症状33%、粘膜症状28%、消化器症状18%、ショック10%と続きます。検査は食品ごとの血液検査(特異的IgE抗体検査)や皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験などになります。食物アレルギーの管理は、アレルギーを起こす食品に耐性がつくまでの期間の食事管理が中心です。食事指導では症状発現回避のための食物除去を行います。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られます。その原因や悪化要因は多種にわたります。主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し(再発)、なかなか治らないこと(慢性)が特徴です。一般的に、6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くと慢性と判断します。

症状コントロールのポイントは、早くしっかりと炎症を抑えることと、悪化を防ぐスキンケアが重要です。皮膚の炎症が続くとそれに伴ってかゆみも持続し、さらに引っかいてしまうことにより炎症が悪化し、バリア機能もさらに低下します。そのため、外からの刺激をますます受けやすい状態になります。この悪循環を食い止めるためには、まずできるだけ早くしっかりと炎症を抑えること、そしてうるおいを保つスキンケア、さらに皮膚への刺激を減らすことが症状コントロールのポイントとなります。炎症に対しては抗炎症効果のある薬剤、例えばステロイド外用薬やタクロリムス軟膏で治します。そして同時に刺激やアレルギーをおこしている外因を検査しこれを除去します。スキンケアでは、お肌を清潔に保つための洗浄と、皮膚のうるおいを保つための保湿を行います。これらを正しく行い、低下している皮膚のバリア機能をしっかりと保持しましょう。