健康診断で指摘が多い項目
健康診断で指摘な多い項目は、以下の通りです。どの項目が何の疾患リスクを示しているのかを把握できます。数値の異常を指摘された時は、どのように対処すれば良いのか、またご自身の健康管理をどのようにすれば良いのかを知ることは非常に大切です。
①血糖値・ヘモグロビンA1c(HbA1c)
血糖値が高い状態は、糖尿病または糖尿病予備軍とされます。糖尿病を発症すると、動脈硬化を引き起こし、重篤な合併症を招く恐れがあります。治療を行わず、そのまま放置することで、手遅れになってしまう可能性があるため注意が必要です。血糖値の異常が軽度であれば、食事療法や運動療法で改善が可能です。当院の健康診断は、受診日に検査結果が確認できる最新機器を取り入れています。血糖値が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
②血圧
診察室血圧140/90以上、または家庭血圧が135/85以上の場合に、高血圧と診断されます。一度の検査ですぐに高血圧と指摘されることはありません。高血圧の初期であれば、食事療法・運動療法によって血圧を下げるなどコントロールが可能です。高血圧は、動脈硬化を始め、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞などの発症リスクが高まります。血圧数値の異常を指摘された場合は、早めに受診して血圧コントロールを行うことをお勧めしております。
③脂質異常
悪玉コレステロール(LDL)・中性脂肪(TG)が高くなる、または善玉コレステロール(HDL)が低くなるなど、脂質数値に異常がある状態を、脂質異常と言います。善玉コレステロール(HDL)の正常値は40mg/dl以上、中性脂肪(TG)の正常値は150mg/dl以下とされます。狭心症や心筋梗塞・下肢閉塞性動脈硬化症・脳梗塞などがある方は、血管が詰まりやすいため、LDLコレステロールを70mg/dlに維持する必要があります。
④尿酸(UA)
尿酸値が高い状態が続くと、痛風を発症するリスクが高まります。その他、腎障害や動脈硬化などを招くため、注意が必要です。尿酸値が高い場合は、原因となるプリン体を含む食品の摂取を控えてください。主に、ビールや魚卵・レバー・干物などは、過剰摂取に気を付けてください。
⑤尿蛋白・尿潜血
尿蛋白がある場合、慢性腎臓病の可能性が高くなります。また、尿潜血の異常は、尿路結石・膀胱がん・腎臓がんなど泌尿器疾患が考えられます。尿蛋白や尿潜血がある場合は、重篤な疾患が影響していないか検査することをお勧めしております。
⑥クレアチニン(Cr)・尿素窒素(BUN)
クレアチニン(Cr)や尿素窒素(BUN)は、身体の老廃物です。数値が高くなると、慢性腎不全や慢性腎臓病などの発症リスクが高くなってしまいます。腎機能が障害を受けると、機能回復が困難でさらに悪化してしまいます。腎不全にまで至ると、一生涯腎臓透析を行わなければいけません。高血圧・高脂血症・高尿酸血症・糖尿病などを指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、医師に相談してください。
⑦肝臓ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALPが高い、アルブミンが低い肝臓ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP・アルブミンの数値異常がある場合は、肝機能が落ちている可能性があります。肝機能低下が見られた場合は、その原因を特定して治療を行う必要があります。当院では、超音波検査や血液検査を行い、さらに原因を特定していきます。肝機能の数値が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
⑧膵臓アミラーゼ
アミラーゼは、膵臓で生成される消化酵素です。血中の消化酵素が見られる場合は、膵炎を発症しているかもしれません。自覚症状がほとんどない膵炎は、知らず知らずのうちに病気が進行してしまいます。数値異常をそのまま放置してしまうと、稀に命に関わることがあります。健診の結果でアミラーゼの数値異常があった場合は、必ず医師の診察を受けてください。
⑨貧血血色素量・赤血球量・ヘマトクリット
鉄分の不足や、体内の出血が原因で貧血を発症します。体内の出血とは、胃潰瘍や胃がん・大腸がんによって起こります。女性の場合は、子宮筋腫が原因となることもあります。体内の出血がある場合は、それ自体がかなり深刻なため、速やかに医療機関を受診して、治療を行いましょう。